私 た ち の 活 動

私たちのビジョン

子どもたちと家庭をつなぐ架け橋


 私たちは、すべての子どもたちが、温かく見守ってくれるおとなたちの深い愛情のもとで育てられることが理想だと考えています。しかし何らかの事情で、そうした環境に身を置くことが許されなくなった子どもたちがいます。
 そうした子どもたちに対して、世の中のおとなたちが無関心でいてはならない…私たちはそう考え、おとなによる個人的な保護を受けられなくなり、集団の中での養育という環境に身を置かざるを得なくなった子どもたちに対して、理想に近い環境を提供するためのお手伝いをしたいと考え、別組織のボランティアグループで活動を続けてきました。

 この活動の中では、子どもたちにとって最も大切だと私たちが考えている「社会における子ども自身の自立」を全面的にサポートしていくための様々な取り組みを行ってきました。子どもの成長と将来に欠かすことができない「学習のサポート」「自分自身の将来を支えていくための社会性・自主性を育む取り組み」「おとなとの個と個の継続的な触れ合い」などをテーマに掲げ、施設の温かいご協力とご指導を得て活動し、その輪、世界を少しずつ広げてきました。また、相互に理解し合い、刺激し合いながら、苦しさや辛さに協力してぶつかっていくアットホームな集団を育てていきたいと考え、施設を巣立った後の子どもたちとのつながりを重視し、私たちはそれに全力で取り組んできました。

 

 活動が40年目を迎えた2014年、私たちの持っている熱いエネルギーを一つの施設に向けるだけではなく、より幅広い活動を通じて子どもたちのためにできることを考えようという機運が高まりました。さらに新たな事業として、一般家庭の子どもたちとその家庭を結ぶ架け橋となるような事業も加えて、「特定非営利活動法人さつきファミリー」と名称も改め、活動していくことになりました。

 まだこれから始まるこの取り組みは未知数ではありますが、従来のボランティア活動で得たものを活かしつつ、社会的養護のどの部分に私たちが関わっていくことができるのかを考えていきたいと思っています。
 ぜひ、私たちの新たな活動、取り組みにご賛同いただき、皆さんの温かいご支援をお願いしたいと思います。


活動概要

◇児童養護における新しい仕組みづくり


 これまでの経験を活かして、児童養護に、より積極的かつ直接的に関わっていきたいと考えておりますが、子どもたちのためになること、私たちにできること等についてさらに考え、それに対して私たちは何ができるのかを決めていきたいと思っております。児童養護施設、里親をはじめ、ファミリーホームなど幅広く考えてまいります。


◇学童保育クラブ設立


 児童養護施設の子どもたちとは若干立場と状況は異なりますが、家庭で過ごすことができない時間帯についての子どもたちへの対応が必要という意味においては、学童保育所に通う子どもたちも同じであると考えております。
 元々子どもたちは温かい家庭の中で育つべきであり、それができない場合どのような環境を整備し、どのように向き合ってあげることが必要なのか・・・私たちは現在それを検討中です。最近増えている「アフタースクール」も視野に入れながら、私たちができる学童保育事業を作り上げ、保育所の立ち上げと運営を行っていきたいと考えております。


◇子どもたちの自立をサポートするための新しい仕組みづくり


児童養護施設を退所した、あるいは様々な事情から家庭で生活することが難しい20歳未満の青少年が、自らの将来について考え自立を目指すことをサポートし、進学・就職・生活等についてアドバイスをする活動をしていきます。このために、自立援助ホームが果たしている役割について研究し、機能を十分に発揮できるホームの設立を目指したいと思います。


◇小百合ボランティアチーム


 従来の「ボランティアグループさつき」を吸収し、東京都杉並区にある児童養護施設「小百合の寮」の施設ボランティアとして活動を行い、子どもたちにとって最善となる道を模索し続けております。子どもたちとマンツーマンでの触れ合いを基本としているため、活動メンバー数はほぼ一定で、およそ40名です。


◇その他相談事業


 自立援助・児童養護・里親…その他児童養護関連の分野について、私たちの経験や知識を活かした各種相談事業を立ち上げたいと考えております。


各部門の具体的な活動

◇児童養護における新しい仕組みづくり


 長い児童養護施設におけるボランティア活動において、私たちメンバーの中から、自分たちで直接児童養護に役立つ事業をやりたいという声があがり、NPOの中でそれについても検討・研究を行っていきます。
 私たちは、これから社会福祉についてもさらに学びながら、里親及び児童養護施設の良い部分を取り入れてこの答えを追求していきたいと考えており、その結果により、次に私たちが何をするべきなのかを考えていきます。


◇学童保育クラブ設立


 「子どもたちは地域のおとなたちに育てられるのが良い」という考え方のもと、地域の方々との連携を深めた環境作りを目指します。世代を超えたつながりを念頭に置きつつ、子どもたちにとって良い環境を探っていきます。
 今年(2015年)の11月には、そのためのプロジェクトチームを発足させ、2017年春の開所を目標に準備を進めてまいります。プロジェクトには、地域の方々や様々な専門家の方々にもご協力いただけたらと考えており、お志のある多くの方々のご参加をお願いするつもりです。
 設立準備のため、皆様のいろいろな形でのご支援・ご協力・ご援助をよろしくお願いいたします。


◇子どもたちの自立をサポートするための新しい仕組みづくり


 児童養護施設におけるボランティア活動を通じて、施設を退所したあとの子どもたちの生活がなかなか思うようにいかないケースを多々見てきました。しかし、時間的・金銭的・立場的な制約等もあり、思うようなサポートができずにいました。その時に知ったのが、新宿区にあった「青少年福祉センター」でした。当時の理事長にお会いし、その活動の大きな意義に感銘を受けた記憶があります。実際に、私たちが関わった施設児童をお願いし、受け入れていただいたこともあります。 この経験から、施設を退所した子どもたち、あるいは施設で暮らした経験がなくても生活に困っている未成年の子どもたちに生活の場を用意してあげることの重要性を身近に考えるようになり、私たちの児童養護施設での活動経験を活かした自立援助ホームをいつかは造りたいと考えてまいりました。 設立、建設にあたってはまだ多くの困難なことが控えておりますが、一つずつ解決して進みます。また、建設という選択肢のほかに、現在ある自立援助ホームの多くに空きがあることを考え、その有効利用のために何か新しいサービスが考えられないか、という命題にも挑戦していきます。 ぜひ、皆さんの様々な形でのご支援をいただければ幸いです。


◇小百合ボランティアチーム


 東京都杉並区にある児童養護施設「小百合の寮」で、1974年(昭和49年)から、施設ボランティアとして活動しております。親と生活できなくなった子どもたちに一番必要なものは、親代わりのマンツーマンでの関わりであると考え、子どもたち一人一人に担当をつけています。学習のサポートをはじめ、将来の子どもたちの自立に向けて、進学などの相談、施設を退所した後に役立つ生活指導、レクリエーションを通じてのコミュニケーション、フレンドホーム制度を利用しての里親活動などを行っております。もう一つの柱として、施設を退所した子どもたちとの付き合い、つながりを続けております。 施設も、従来の大舎制から近代的な小舎制に移行する中、子どもたちの動きや考え方も大きく変化し、私たちの活動もそれに従って、少しずつやり方を変えてきました。施設の職員の方からも、さつきが一人ひとりに担当をつけ向き合う形で子どもたちと付き合うことに大きな意味と効果があると認めていただいており、これからも職員の皆様をサポートする形で、これらの活動を続けていきたいと考えております。


◇その他相談事業


 上記各部門の活動に加え、関連分野について私たちができることを少しずつ広げ、実際に様々な分野で困っていたり悩んでいたりする方々の力になれるよう、事業展開を図っていきます。